どんなコース?
沖縄PSLS_PCECコース
Prehospital Stroke Life Support
Prehospital Coma Evaluation and Care
病院前の活動は、傷病者の状況により、3つのパターンに分かれます。
・まず、傷病者が心肺停止であれば、ICLSへ
・心肺停止でなく、外因かつ外傷であれば、JPTECへ
・心肺停止でなく、内因性、または、外傷以外の外因(中毒など)であれば、PEMECへ
ICLS、JPTECは、救急隊の活動プロトコルに組み込まれている地域が多いのですが、PEMECは、最近登場したばかりであり、また、プロトコルに組み込まれている地域はほとんどありません。しかし、左図のようなフローができれば、現場での活動が整理され、救急隊に求められている、"The Right patient in the Right Time to the Right Place(傷病者を適切に、適切な時間内に、適切な搬送先へ搬送する)""resuscitation(命を繋ぐための処置=蘇生を行いながら)"を達成するための大きな武器になると思われます。
PEMECは、内因性または外傷以外の外因を対象としています。対象はバリエーションに富んでおり、標準化するのは非常に大変で、時間を要する作業でした。一方で、「脳梗塞に対するt-PAによる血栓溶解療法」が行われるようになり、内因性疾患の中でも、脳卒中については、急ぎ、標準化を進める必要がありました。そこで誕生したのがPSLS(救急隊員による脳卒中の観察・処置の標準化)です。PSLSは、PEMECから脳卒中の対応の部分を抜き出したものです。
また、続いて、PEMECのうちの、意識障害の部分を抜き出したPCEC(救急隊員による意識障害の観察・処置の標準化)が誕生しました。PCECは、PSLSも含んだものになっています。
何時間のコース?
受講料は?
認定インストになるには?
・PSLSガイドブック2015
へるす出版
価格:2,200円+税
・PCECガイドブック2016
へるす出版
価格:2,800円+税
教科書、参考書は?
PEMECは、今後活動プロトコルに組み込まれ、JPTECのように、MCが中心となって開催されるようになると予想されます。しかし、まだ学会などに併催される形でのコースが行われるに止まっています。
PEMECコースでは、内因性疾患に対する対応全般を学ぶことができますが、一日コースの時間内ですべてを学ぶことはなかなか困難です。
救命処置を楽しく学ぶ会では、「まずPSLSを学び→PCECを学び→PEMECを学ぶ」という方法を提案しています。PSLS、PCECを学んでおくことにより、PEMECをスムーズに学ぶことができることでしょう。
沖縄PSLS_PCECコースのねらい
対象は?
原則として救急隊員を対象としています。
PSLS、PCECのアルゴリズムは、できるだけJPTECと共通部分が持てるように作成されており、救急隊員にとってわかりやすいものになっています。従いまして、PSLS、PCECコースを受講される前にJPTECの受講経験があることを推奨しています。


まとめますと、
・PCECは、PEMECのうち、意識障害の部分を抜き取ったものです。
・PSLSは、さらに、PCECから脳卒中の部分を抜き取ったものです。
なお、病院前の外傷の観察・処置の標準化であるJPTECが、医療機関で行われるJATEC、JNTEC、JETECへ繋がっていくように、PEMEC、PCEC、PSLSは、それぞれ、EMEC、ACEC、ISLSへと繋がっていきます。
救命処置を楽しく学ぶ会では、ISLSコースも開催しています。ISLSコースについての情報は、ISLSコースのページをご覧下さい。
PSLSを4時間程度で学んだ後、続けて、PCECコースを3時間ほどで学びます。
およそ7時間程度の一日コースです
PSLSコース、PCECコースを合わせて¥10,000です。
教科書代は含まれていません。
認定インストラクター制度はありません。
救命処置を楽しく学ぶ会のコースでは、JPTEC、ICLS、ISLSなどのコースの救急隊員のインストラクターが中心となって指導に当たっています。